地動説を唱え「それでも地球は回っている」と言ったガリレオから130年、豊後の国杵築藩で「太陽が再び欠ける」と、当時の暦にない皆既日食を予測した日本人が居ました。 麻田剛立。後に日本の暦を近代化する事となる天文学者です。 習わしや言い伝えが根強く残る侍たちの時代にあって、剛立はひたすらに天を仰ぎ続け、観測結果、すなわち事実を重んじました。 事実に基づいて日にちを刻み、今では常識となった天体の法則を導き出し、それまで日本人が見たこともなかった月のクレーターをも見いだしました。 剛立は、舶来の反射望遠鏡や西洋の理論を上手に用いて、自らの考えを確認していったといいます。